二人の擲弾兵 [Die beiden Grenadiere]
作詞:ハインリヒ・ハイネ
訳詞:津川主一
作曲:ロベルト・シューマン
編曲:津川主一
TTBB+P / T1 / T2 / B1 / B2
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B1
B2
Die Grenadiere Op. 49_1 (『リートとロマンス第2集』作品49の第1曲 より)
故郷に帰り来る、兵(つわもの)たち二人、
国境に来たりて、力も失せ果てぬ。
「哀しや。味方は敗れ、敵にくだりたり」と
彼らに告げし者あり
「君や同胞(はらから)いずこ!?」
よろめき進む二人、耐え難くなり、
語りぬ、『終わりぞ!』この傷の痛み!
また言う。『運命ぞ!今際(いまわ)の想い
我が家に残せる妻子に通う』
捧げし妻子は我顧りみわせじ。
口惜しや!国破れ、君囚われたもう!
友よ聞きたまえ!死は近づけり。
我が骸(むくろ)携えて、故郷に葬れ!
『緋の紐結びし、鉄の十字架を、我が胸に置け、
我が諸手には、銃を握らせよ、
剣の革帯、我が腰に縛れ』
『さらば我れ見張りす、棺のうちより。
大砲轟き渡り、 騎兵傾れ進み、 君は我が墓踏み越え、
剣戟のひびき、 天地にこだません。
そのとき我墓を出で、君に従いて行く』
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